里見八犬伝@2014/11/8 新国立劇場 13:00~
お久しぶりですというかこのブログ見ている方は
殆どいらっしゃらないかとは思いますが、ツイッターでは長々とした感想が呟けなさそうなので、久々にこちらを稼働させることにしました。珍しく新しくカテゴリーも増設。
※舞台の総評というよりも個人の脳内感想です。
※当方、二次元ヲタ出身ゆえその手のネタ多めです。
※色々ネタバレ&内容に関するツッコミ等々も容赦ないので要注意!
それでも構わないぜ!どんと来いだ!という強きブレイブ等々
お持ちの方のみ続きからどうぞ・・・
【ストーリー雑感】
言わずもがなの滝沢馬琴の有名作のアレンジ版と言えばいいのかな。
当方の里見知識は数年前に文庫でちらっとあらすじをなぞった程度&昔少年ガンガンに連載されていた里見☆八犬伝の知識のみだったのでかなりあやふやな知識を持ちながらの観劇でした。
ストーリー的には原作もかなり無茶な面がありましたが、結構改変加えているイメージかな。
道節と父親の関係とか玉の意味とかね。
正直、この改変が良かったかというと二次元出身の少年漫画のカタルシスを求める我が脳内では受け付けにくいものがありました。
特に私の場合どんな作品(二次元・三次元問わず)主役に苦手意識を持ってしまうと作品そのものが見られなくなるということが多いので・・・(滝汗)
今回はメインを張る信乃と荘助がもろに苦手なタイプの役所だったので正直、見ていてつらかったのですが他の6人で何とか中和された感があります・・・(苦笑)
役者さんたちはみな素敵な殺陣や演技を披露してくださったのに、もう一度見に行くかと言われると正直・・・なところでした。
スタンディングオベーションも飛び出していて自分もやろうと思ったけれどどうしてもそのストーリーのひっかかりが取れずにね・・・
素材はいいのに色々と惜しいなあと。
続きからはキャラ雑感
【犬塚信乃】
信乃・・・正直ほんと苦手なタイプの現代的な破滅願望持ちのキャラクターで荘助ではないですが何度も殴りたくなりました。
劇中何度も運命に「逆らおう」とする台詞を何度も言ってるのですが、正直それを傘にして運命から「逃げている」感が自分の中でマイナスポイントだったのかなあと今にして感じています。
(ほかの八犬士も己の言葉を「逃げ」にしているシーンは多いのですが、彼の発言のマイナス性は8人中トップクラスだったような・・・)
浜路や玉梓、伏姫等女性に終始振り回されているキャラクター性も自分の中のマイナス性を助長していた感が・・・
なんか結局自分が一番かわいいとかかわいそうとか思っている感じがしてそれはそれで人間の弱さを表してはいるのですが、私個人の求める主人公像としては「ないな」という総評に落ち着きました。
役者としては舞台初挑戦の山崎くんがふんばってくれていましたね。
殺陣も初挑戦かとは思いますが、周りからも色んな物を吸収している感があって好印象でした。
これからどんどん良くなっていくことを期待。
【犬川荘助】
浜路や信乃への 「執着」が色濃く描写されていて、個人的には受け入れがたいキャラクターNO.2に収まってしまいました(苦笑)
女性絡みネタは個人的に苦手なジャンルベスト3に入るので、うーんと・・・結局荘助もわが身可愛さに浜路を求めている感が出ていて、2幕の闇落ち浜路の台詞に「ほんと、その通りだよなあ」と思わず頷いてしまいました。
どっちかというと彼が本当に求めていたのは浜路ではなく信乃だったのではないかなと考えされられてしまいました。
(いや、別にそういうやましい意味ではないです、念のため:苦笑)
演者の村井くんを生で見るのは6年前のテニミュ以来だったのですが、台詞回しとか絡みの多い山崎くんと比較するとやはり経験値だなあと感じるシーンが多々ありました。
今回共演者も身長の高い方々が多かったので、「あれ村井くんこんなに小さかったっけ?」と思う場面もちょっとありました。
でも村井くんの演技をまた生で見れて個人的には嬉しかったです。
【犬山道節】
道節は元々のキャラクター性からも結構どのメディアでも最初は王道の敵側での登場が定石となっている感がありましたがこちらでも言わずもがなですね。
ビジュアルの長髪と演者の馬場さんの長身で不気味な印象が加わっていました。
今回独自の設定である丶大法師との因縁は殺陣と合わさって個人的に数少ない改変・良ポイントだったかな。
馬場さんは個人的にはキョウリュウVSゴーバス舞台挨拶以来のご無沙汰。
今回声が時折声優の千葉進歩さんに聴こえる時があってちょっとびっくりしました。
千葉さんといっても銀魂のゴリラではなく、封神の楊戩な感じっぽくてですよ念のため(笑)
長刀の殺陣も長身と合わさって舞台映えしてました。
【犬飼現八】
私的八犬士の「心のオアシス」その1。
登場が罪人としての登場だったので当初のイメージではこの手のキャラによくありがちな破滅願望もちの極悪キャラかなあと思って先々恐々だったのですが、結構あの8人の中では常識人ポジで見ていてほっとしていました。
小文吾のきょうだいたちとの絡みがコメディ入っていてそれも心のオアシス化の一因かなあと。北斗の拳ネタは噴いたww
演者の石垣さんの惜しみないムキムキの肉体は
遠目から見ても凄かったですw
個人的には牢屋から出された直後に渡されたひもで
着物をたすき掛けするシーンの一連の動きがとても好みだったなあ。
【犬田小文吾】
私的八犬士の「心のオアシス」その2。
他の7人と比べきょうだいを愛するがゆえに良心で行動している感があってそれも数少ない好印象としての一因かなあと。
ただ、それがすべて裏目に出てしまう展開がつらかったなあ。
あと最後の殺陣のシーンで死霊兵と戦うシーンがあったのですがあの死霊兵が死ぬ前は実の兄弟で「兄ちゃん」とか断末魔で叫んで「俺は何のために―!」的な展開になるかとはらはらしていました・・・
演者の荒井さんは初めてお見かけする方だったのですが8人の中で犬っぽさというか子供っぽさが出ていていい感じでした。
小文吾の武器も小ぶりの斧なのでなんかかっこよさよりもちまちましている感が出ていてそんなところが元・農民っぽいなあと。
【犬坂毛野】
知略家という毛野。女形としての美麗さと狡猾な武将としての本性の二面性がよく出ていたなあという印象。
ただ、その知略はあまり発揮されていなかったような・・・(オイ)
子分を集めたはいいもののものの見事に裏切られて・・・
なんか時代劇のこの作品の中でデータを過信するあたりは現代的な側面を持つキャラクターだなあと。
ある意味現代っ子なのか毛野さん。
演者の玉城さん。1幕の女形のしての美麗さはうん・・・凄まじかったです。動きが本当に女性的で、
そのあとの激しい男としての口調も圧巻でした。
ただ2幕の武将姿が某戦国無双の某キャラにカラーリングが似ていてそっちの方が気になってしまいました(苦笑)
あとあの「英雄になってやる」感はうろ覚えですが
某ライダーの某キャラを彷彿とさせた・・・
【犬村大角】
私的八犬士の「心のオアシス」その3。己の罪を8人の中で一番自覚し、その咎に愚直に向き合おうとしている姿が切なかったなあと。
でも小文吾と同様、それが彼の中で報われることはなかったのだなあと思うとつらいなあと。
ある意味毛野同様、医師としての「私」と元・盗賊としての「俺」の狭間に揺れ動いている感がひしひしと感じられました。
ただ、剣ではなく棒で戦うのは某不殺の流浪人とかぶってないかとちょっと心配になった・・・殺陣はかっこよかったですけどね!
演者の丸山さんは大好きだったキョウリュウジャーの空蝉丸もそうですが、やはりこういった武将系というか武術系の役が殺陣もできるから映えるなあと。
うん、やっぱり私舞台で演技する丸山さんが好きだと再確認しました。
最遊記の悟浄の経験もあるからか棒術もしっかりしていたなあ。
【犬江親兵衛】
感情の欠落している青年という形はまさに「るろうに剣心」の瀬田宗次郎を彷彿とさせるキャラクターだなあと。
動きも縮地かよ!と思わせる軽快な動きが多かったような・・・伏姫に育てられたゆえに感情が欠落しているのかもしくは意図的に欠落させられたのか色々考えさせられるキャラクターでした。
白い衣装が彼の危うい純粋さを表現していたような気もします。
演者の高杉真宙くんは鎧武のミッチ役でもですが、
こういうどこか欠けた感情の役が映えるのかなあと。
純粋さとそれに付随する危うさを抱えた表情が多かったような。
人の気持ちが分からないと悩みながら死を迎えるあの場面は良かったな。