ららばい。

色々な雑多日記。

劇団EXILE松組~刀舞鬼~@天王洲銀河劇場 2016/02/20 13:00~

ちょっと今回は辛口目の感想かもしれません・・・平にご容赦を。

 

※舞台の総評というよりも個人の脳内感想です。

※当方、二次元ヲタ出身ゆえその手のネタ多めです。

※色々ネタバレ&内容に関するツッコミ等々も容赦ないので要注意!

 

 

 

 

 

 

ちょっと今回の舞台は今までみた舞台の中で自分の中に落とし込んで咀嚼するのに時間がかかってしまいました。

期待値というか、どんな舞台を見せていただけるとかという事前情報があまりなかったというのも大きかったかな。

(これは今回の主催兼座長の松本さんが元々パフォーマー出身ということが影響しているのかもしれません。確かにアーティストのライブではセットリストとかぎりぎりまで観客のためにネタバレはしないように見受けられるので)

 

見た直後はパフォーマンスとしては良いものを見せていただいて、おおっと思ったのですが観劇が終了していざ物語を咀嚼する段階でじわじわと違和感が生まれてしまって・・・

それを自分の中に落とし込むのに気が付けば一週間・・・(苦笑)

ちょっと今回はストーリーを中心にで送ります。

 

 

桃太郎を新たな切り口で魅せるというネタ自体はすごく良かったと思うのです。

よく岡山の伝承等で伝えられている桃太郎=鬼の息子(もしくは縁者説)を取り入れたり、鬼と人の善悪関係そして種族・人種差別のような内容を取り入れることには何の不満もありませんでした。

(というか観劇前に予想していて見事に当たってガッツポーツしたクチですw)

それこそよく二次元作品での定石設定ですし。

こちらとしても慣れている感がありましたし。

 

ただ、その物語を動かすストーリー展開やキャラクターの描写が圧倒的に足らないような気がしました。

なんていうか漫画でいういい場面を切り貼りして見せているような印象というか例えるならアーティストのPVを見ているような感覚と言いますか・・・

 

何故、鬼丸が人間に対してそこまで悪意を持たずに育ったのか、逆に何故数珠丸があれほどまで世を、人間を、鬼自体を憎むようになったのか、なぜ菜切が兄のように思っていた鬼丸を一人の男性として愛するようになったのか。

その過程がほとんどすっ飛ばされているためにキャラクターに感情移入することができず、物語に対し中途半端な印象を持ってしまったというのが正直な感想です。

 

(菜切は確かに鬼丸は昔から優しかったみたいな台詞を口にしていたような気もするのですがそれがあまりに具体性のない抽象的な台詞でどこがどう優しかったのかが分からなかったという・・・)

 

そして個人的に男勝りな少女がいきなりきれいな衣装で現れて、歌いだして、全ての歯車が狂ったという展開はなんか女性に女々しさを押し付けているかのような印象を受けてどんどん菜切を見るのがつらくなっていった感はあります。

 

個人的に鬼にもまれて強い設定であれば、強い設定のまま押し通してほしかったですし、転生しても戦闘能力の描写がほぼなかったためにただ桃太郎一行についてきたとしか思えない描写になっていたのも惜しいなあと。

 

(逆に歌ですべての歯車を狂わせた元凶であるのなら普通に大人しい歌姫設定でもよかったのではとか・・・色々菜切に関しての描写には不満が残っています。)

 

あとおじいさんとおばあさんが刀を渡したのに、結局あれは使わなかったですよね・・・?てっきりあれで鬼丸を刺してしまって、ロミジュリのように死ぬのかなとおもったらまさかの数珠丸(吉備津彦)がトドメというね・・・

 

あとこれは個人的なアレなのですが、今回の主要キャラが天下五剣から取られているのは明らかに昨年大ブームを巻き起こした某刀ゲームからだろうなあと(苦笑)

なんていうか「その名前つけておけばなんかかっこいいし女性受けもよくない?」みたいな制作側の意図が透けて見えてしまって、ちょっと名前を呼ばれる度冷めてしまったキャラが数名・・・

私自身とうらぶ自体そこまではまっている訳ではないのですが、なんか嫌悪感が生まれてしまったのは事実です。

 

 

こんなにいっぱい文句をいってしまって申し訳ないのですが、出演されている役者さん、芸人さん、パフォーマーの皆さんには不満はなかったです。

アドリブの応酬も楽しめましたし、それぞれの役を全力投球で演じてくださっている姿はかっこよかったです。たまたま今回通路側の席だったのですが、

早乙女兄弟の殺陣を間近で見ることができて感動もしましたし、小さい頃から聞いていた島袋さんの生歌も迫力がありました。

パフォーマーの一線から卒業したにもかかわらず松本さんの衰えぬダンステクニックには目を見張るものがありましたし・・・

音楽、舞台装置etc・・・すべてにおいて一切の妥協がない心意気は伝わってきました。

ただ、これだけの精鋭を集めたのであれば物語にも一切の妥協はしてほしくなかった。

 

本当にショーとしては最高に近いものだとは思います。

(ショー自体は別に悪くないです。私自身別のジャンルでよくショーを見に行き感動もしますし何度も見に行ったショーもあります)

ただ、これを『劇』と称するのは間違っていたのはないかなと思います。

『演じる』ことと『役者が劇を紡ぐ』ことは別物なのだということがよく分かった舞台でありました。

本当に素材はいいのにもったいない舞台だったなと思います。