ららばい。

色々な雑多日記。

劇場版 遊☆戯☆王~THE DARK SIDE OF DIMENTIONS~ 感想①

 

 

アニメの感想自体を書くのも久しぶりです。

ちょっと長くなりそうですが、つらつらと感想を書いていこうかと思います。

本当に良い映画に巡り合えました。今はただただ、それが嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

【総括】

 

原作終了12年後にしてついに明かされるアフターエピソードとして銘打たれた今回の映画。

正直、発表直後は不安要素だらけでした。

それは、12年前の高校時代にジャンプで読んだあの最終回があまりに綺麗で切なくて・・・そしてすべてをまとめきったラストだったからです。

 

遊戯とアテムの二人の別離―

 

それこそが、遊戯王の最終回に相応しいものだとずっと思っていました。

 

そして、個人的に終わった好きな作品の続編が次々と打ち切りの憂き目にあったり蛇足のエピソードと化しているものも多く、遊戯王もそうなってしまうのではないかと。

あの美しい最終回を超えるものが出来上がるのか?

そしてすべてのファンがそれに納得するのか・・・

発表後最初の半年くらいはそんなことをつらつらと考えていました。

一方で豪華なスタッフ&キャストが発表されるにつれ、楽しみもありました。

DMリアルタイム当時大好きな作画監督さんであった加々美高浩さんのキャラデザ、多忙であるはずの遊戯役・風間俊介くんの復帰、そしてなにより原作・高橋和希先生が携わる脚本。

そのすべてのピースが揃いつつあるなか不安は少しずつ期待へと向かっていきました。

 

そして、迎えた公開初日―同じく、遊戯王を楽しんだ友人と一緒に行きました。

 

 

本当に原作の完全なる続きで完結編ともいえる作品が目の前にありました。

高橋先生の描いた遊☆戯☆王の世界がそのままありました。

それだけでほんとうに胸が締め付けられるような思いでした。

泣くのは必死で堪えましたが、劇場周辺では泣いている方も多く見かけました。

 

 

本当に、この作品に携わってくださったスタッフ・キャストの皆様に感謝の気持ちを届けたい思いで胸がいっぱいになりました。

こんなに感動して、劇場を出たのは生まれて初めてでした。

 

 

私がこの作品に心を打たれた大きな理由は多分

「原作」のアフターエピソードという点を忠実になぞりつつも、アニメから好評だった演出や音楽―普通の作品だったら削ってしまう要素を惜しげもなく投入した点だと思います。

 

 

私自身は実際東映版アニメをきっかけに原作に入り、そこからDMを見た人間です。

なので個人的には遊☆戯☆王=ゲーム漫画≠カードゲーム漫画という方程式が脳内の中でありました。

(ちょうど原作に入ったのがバクラが出てくるTRPG編でした)

千年パズルをといた武藤遊戯に生まれた闇の人格が闇のゲームを用いて悪を裁くシリーズ初期の展開から見守っていた人間だったため、どうしてもDM以降の商業的にアニメで打ち出されるカードゲームメインの展開&闇遊戯や海馬瀬人をメインに据えた展開に疑問点を浮かべざるおえなかったのです。

だから、今回の劇場用アニメでもやはり単純に強いカードばかりが出てくるお祭り映画になってしまうのはないかという不安がありました。 

でも、それは冒頭の遊戯の語る己の夢のセリフで払拭されました。

 

 

卒業間近の彼の将来の夢は、最強のデュエリストでもなんでもなく、祖父の手伝いをしながら、新たに自分の力で大好きなゲームを想像しそれを用いドイツのゲーム大会に出場すること。

 

カードメインの展開であれば、ペガサスのようなカードデザイナーやもしくは城之内のようなプロデュエリストという発言になっていたかもしれません。

 

でもそうではなかった。彼の夢は、原作の第1話から様々なゲームを楽しんできた、普通のゲーム好きの少年の夢だったからです。

このセリフは、カードはあくまで作中に出てくるゲームの一種と考えている高橋先生の思いが込められている気がしました。

そして今回の劇場版がこのセリフが出てくることを

許された場であったことが本当に嬉しかったです。

 

 

そのあとの学園&日常生活の中でもDMでは削られてしまったエピソードに登場した刈田先生や原作を改変した結果、アニメでは未登場の御伽くんのお父さんといった懐かしいサブキャラクターの登場も心を動かされました。

獏良くんの女子に人気という設定も何気にアニメでは初出かもしれません。

本当に原作のピースを丁寧に拾っている―そんな印象をうけました。

 

この流れは新キャラ―藍神やセラたちが現れても変わらなかったのが本当に嬉しかった。彼らもまた、原作の続編となるピースをもった人間で単純なゲストキャラではなかったのが良かったなあと。

藍神と獏良の対峙は本当に原作で拾えなかったエピソードを拾っていただいて意外な場所で連載終了後、どこか残っていた胸のつかえがとれたと思いました。

(この原作のピースを拾ったキャラクター描写については次の項目で個人別に書こうかなと思っています。

全て書いているとあまりに膨大すぎるため:苦笑)

 

 

そして、原作を尊重しつつも、アニメで好評だった作画や描写を惜しげもなくハイクオリティで取り入れているのもとてもよかったです。

加々美さんの美麗作画はもちろんのこと、今回はそのバックにDM時代の視聴者であればおなじみの武藤さん、原さん、高橋和徳さん、つなきさん、羽山さんといった往年のレギュラーメンバーがサポートに回っていたのには本当に感動しました。

twitterでは店長シフトとも呼ばれていましたねw)

高橋先生の原画も一発でわかりましたが、すごかった・・・

一つ一つのキャラクターに込められたキャラクター描写がこれでもかと私たち観客にダイレクトアタックを繰り返すそんな気迫を感じました。

 

あと音楽―今回音楽担当が好評だった光宗さんから池さんにバトンタッチされたことにより今までの音楽が使えなくなってしまうのではないかという不安がありましたがちゃんと要所要所でアレンジが加わった往年のテーマが流れたときには4年間積み重ねたアニメの集大成ともいえる姿があったように思えます。

(個人的にぐっときたのはシャーディーとバクラの対峙で流れたBGMが本当往年のままで胸を熱くさせられました)

あと熱き決闘者たちが流れたときは胸がやはり熱くなりました・・・

 

 

この「原作」と「アニメ」というよくメディアが違うために越えられないと言われている壁は遊戯王以外にも多くのアニメで昔からぶつかってきたもののように思います。

商業的な理由や放送コード等の理由もあるのかもしれません。

でも、今回の作品はどちらかに寄せるのではなく、

どちらの良いところも取ってさらにクオリティの高い作品に昇華させていった。

そこが本当に素晴らしかったなあと今でも思います。